第16章 野球
「ってさ、俺らの中で等級が一番上じゃん。一人で任務にも行くし。だからさ、俺も負けてらんねえなって。早く強くなりてえって思ったんだよね。あの時もお前に助けてもらったし」
「助けたって……。結局私は逃げたんだぞ」
「でも助けてくれたのには変わりないだろ」
「…………」
「それに。好きな奴を守りたいって思うのは普通じゃね?」
「なっ……!!」
さらりとコイツ告白をした!!
あの時とは違って、勢い任せの告白なんかじゃない、ちゃんとした告白……。
真っ赤になる顔を見て虎杖は笑った。
告白の返事を早く返さなければと思えば思うほど、なぜ人はこんなにも語彙力を失くしてしまうのだろうか。
パクパクと金魚のように口を開閉するしかできない私。
その時、遠くから東堂の声が聞こえてきて虎杖は慌てたように逃げ出す。
私はその場を動けずにただ突っ立ていることしかできなかった。
「夏油、ブラザーを見なかったか?」
「……………」
「夏油?」
私の側に寄って虎杖の行方を聞く東堂。
私は今だに頭がショートしていた。
「顔が赤いな。熱でもあるのか?」
「な、なんでもないし!!」
「そうか。具合が悪いなら早く診てもらうんだな」
そう言って、再び虎杖を探し始める東堂。
今こいつを逃したら謝るチャンスを失ってしまう。
ショートしてる場合じゃねえぞ、夏油。