第14章 明日
私はポケットからスマホを取り出して電話を掛ける。
が、出る気配がない。
まだ蠅頭を追いかけてるのかな。
となれば、どうしたらいいものか。
馬鹿正直に聞くよりも遠回しに聞き出したほうがいいかもしれない。
吉野の事をまだ何もわかっていない状況で高専の事を話したくないし。
なんて思っていたら。
「なぁ。この前オマエが行った映画館で人が死んでんだ。なんか見なかった?こういうキモイのとか」
虎杖が馬鹿正直に聞きやがった。
ご丁寧に手に持っていた蠅頭を見せながら。
頭が痛くなった気がしたが、もういいや。
ここは虎杖に任せよう。
こいつ異常に人との距離感埋めるの上手いからどうにかなるだろ。
「いや、見てないよ。そういうのハッキリ見える様になったの最近なんだ」
「そっかぁ……。じゃあもう聞くことねぇや」
「えっ、もう?」
「でも一応俺の上司?見てぇな人が来るまで待ってくんない?」
「いいけど……」
もう仲良くなってる。
マジでこいつのコミュニケーション能力どうなってんの?
でもまぁ、警戒心が薄れているならそれに越したことないや。