第4章 七海健人 覚悟
七海side
灰原を失ったあの日から
自分もいつ死んでも仕方がないと思っていた
それもまた運命
友に会いにいくようなものだ
沢山の人に有難うの言葉を貰って
思い残す事などないと思っていた
さんの傍にずっといられたらとは思っていたが
そんな夢のような話
叶うわけないと思っていたのに
恥じらいながらも私の名前を呼ぶ声
死なないでと
涙ながらに伝えてくれる愛しい人
今
この瞬間
何があっても死にたくないなどと思ってしまった
「‥会いに行くのが先になるかもしれませんが許してください」
語りかけるように
天を仰ぐとさんが不思議そうにこちらをみる
『七海くん‥?』
「何をしているんですか?午前は休むと連絡を‥それに、呼び方が違いますよ?」
昨夜の甘い情事の後
自分のシャワーを浴び終えて
綺麗にした身体
おそらく五条さんからプレゼントされたであろうバスローブが浴室に置いてあったので
仕方なくそれを着せて眠りについたが
押し倒した身体からまたそれをゆっくりと脱がせていく
『わ‥分かったからっ‥夜蛾学長に連絡するからまって‥』
あたふたと枕元に置いてあった携帯電話に手を伸ばす
「名前は呼んでくれないんですか?」
『ひゃっ‥!!』
悪戯をするように耳元で囁くと体が反応して耳が赤く染まる
『よぶからっ‥まって‥っ』
はだけたバスローブから豊満な胸の谷間が顔を出す
白くて滑らかな肌には昨夜つけた沢山の痕
その痕を上書きするように上からキスを落としていくと甘い声が漏れる
『はぁっ‥け‥んとっ‥』
「もう一度」
『健人っ‥‥』
なんとか学長へと連絡を終えた様子で握っていた携帯を手放して
熱で潤んだ瞳に私だけを映す
「ずっと五条さん達に嫉妬していました‥あなたに名前で呼んでもらえて羨ましいと」
『っ‥はぁっ‥』
「それが今、恋人としてあなたに名前を呼んでもらっている‥これほど幸せな事はないでしょう」
小さな顎を掴んでもう一度深く口付けを交わす
幸せに満ちた
甘い朝の始まりの合図だった