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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第3章 ウソと人魚の心を手放した代償


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「お前のこと、
バレーの次くらいには好きかもしれねぇ」


部活の後
影山の居残り練習に付き合うことが多々あった

ある日
何気なく影山が私に言った言葉

深くは受け止めなかった
周りから聞けば勘違いされそうだな、くらい
それが影山にとってどれほど本気だったかなんて知らない


「…ちょっとお前らいつまで練習してんの
そろそろ体育館閉めるんだから、さっさと片付けなよ」

うす、と元気よく返事をする影山を横に
及川先輩いたんだ…って胸がザワザワして落ち着かなかった。

まるで心が休まらないことの前触れみたいで。




それから三年生の卒業式の日


「ねぇ俺と付き合ってよ」


及川先輩は誰もいない体育館で私に告げた
外は少し早めの桜が満開で、場面的にはピッタリだと思ったのに



どこか心は沈んだままだった




_____あの言葉が
全ての 勘違い と すれ違い の発端なんじゃないかって、今頃だけど私は思う


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