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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第1章 幼馴染みは森の中で姫を見つけた





『かげやま…?何言って…』

影山は私を見ずに及川先輩に鋭い視線を向けている
及川先輩は微かに目を見開かせたあと、分からないという風に首を傾げる

「そんなの俺に許可とってどうすんのさ
くるみは俺のじゃない」

「許可じゃありません
及川さんはそれでいいのか確認しただけです」

「ほんっと相変わらずクソ生意気だよね…」


何言ってるの…?
というより理解しようとするのを自分で拒もうとしてる


だって影山は…口悪いし、喧嘩ばかり
いいとこと言えば苦手な弁当のおかずを貰ってくれたり、頼んだら朝起こしに来てくれるとこだけだし
あと周りが見えなくなるくらい誰よりもバレーが好きで、そんなバレーしてる影山を見るのはもっと好きだ
一人になった背中が心配でだから烏野を一緒に受験して…
それで、それで…??


影山の視線がようやく及川先輩から私へと映る
身構えてたのか肩が大きく跳ねてしまう
影山は私のそんな様子なんてお構いなしに手を伸ばしてくる

右手の甲を頬に当てられる
私を見つめる影山の瞳は海みたいに澄んでいてとても綺麗
ドキドキする、けど不思議と怖くない
だって影山だから

影山の手は裏返り、左頬を包み込むように置かれる

「俺はお前が及川さんを応援してんの見ると
すげー腹立つ」

「今度こそ絶対俺のものにする」




「お前が好きだ」





影山のもう一方の手が私の体を覆い思い切り引っ張っていく。頬に置かれていた手は顔を少し上げるよう調整され視界には影山しか映らない
影山でいっぱいで、及川先輩以外にこんなに近くなったこと…なかったのに


影山の唇が私の唇とぶつかる
触れ合った唇は少し力が入っていてすごく熱い











それで…? 私達は " 幼馴染み "

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