第1章 【僕にできること】
「……みんなともっと、一緒におりたいし。」
そう言葉にする廉の耳は
ほんのりと、赤くなっていた。
「俺……紫耀と番う。」
照れくさそうに笑って、
それでも今度は目を逸らさなかった。
「やから……
ちゃんと、隣におってな?」
そう小さく笑う、廉の細くしなやかな手を
俺はしっかりと強く握り返した。
***
うなじに刻まれた痕がもたらす安定は、
二人から余計な焦りと過剰な熱を奪い、
驚くほど穏やかな日常をもたらした。
「グループ活動を円滑に進めるため」
「アイドルを続けるため」
そんな心地よい建前をかくれみのに、
お互いに本心を打ち明けることはしなかった俺たち。