第1章 【僕にできること】
「廉。……今日みたいに、急にヒートが来ることが
増えてるよな? 抑制剤も、もうろくに効いてない。」
「……っ、」
「このままだと、お前の身体が持たない。
仕事中に倒れて、誰かにバレるかもしれないし、
今日みたいにお前のヒートにあてられた俺が
ゴムをする余裕もなく抱くことが増えるかもしれない。
ただでさえヒートのときは妊娠しやすいってのに
もし、妊娠、、なんてことになったら……」
拭う手を止め、廉の頬を優しく包み込んだ俺は
真剣な眼差しで、その揺れる瞳をしっかりと見つめる。
「ずっと……廉と関係を始めてからずっとね、
考えてたんだ。廉。俺と、番わない……?」
唐突な言葉に、廉の息が止まる。
無理もない。
αと番うということは、
本能的にも精神的にも一生涯、
その相手に縛られることを意味する。
一生に一度の決断だ。
「俺は前から考えてたとはいえ、廉にとっては
突然だったと思うし、だからもちろん、
今すぐ決めろって言ってるわけじゃなくて。。
……ただ、最近の廉を見てるとそんなにゆっくり
してるわけにもいかないのかなって……」
「番になったら……」
「ヒートは今よりずっと、楽になる可能性がある」
(俺が好きなんは、紫耀や……。でも、、紫耀は?
同じグループになっただけやのに、それはさすがに
俺の人生に紫耀を巻き込みすぎやない?
けど、αはΩの俺とは違って、
一度番っても他のΩと番うことできるから……
紫耀に甘えてもいいんかな。。
けど、こんな形とはいえ『番』になったら……
俺はもう、引き返せへん)
言葉にできない想いと、
Ωとしての葛藤が俺の胸を締め付ける。。
脳裏に浮かぶのは大好きなメンバーの顔―――
「……グループに、迷惑かけられへんもんな。
みんなで上を目指してる途中やのに、さ。
けど、紫耀はそれでええの?俺で……」
「ふはっ!いいに決まってない?俺から提案したのに
ここでハシゴ外したらヤバいやつっしょ笑」
―――即答だった。
むしろ、それ以外俺的にはありえなくて。
想像でも耐えられなかった。
廉が俺以外と番うなんて……