第1章 【僕にできること】
床に押し潰され、逃げ場のない状態で
正面から力強く奥を穿たれる快感に、
廉は腰を大きく浮かせ、俺の背中に爪を立てた。
激しく腰を叩きつけるたび、床に散らばった
廉の髪が乱れ、濡れた瞳が快楽で焦点を結べずに揺れる。
αの本能なのか、、俺は廉の喉輪を優しく押し込み、
狂おしいほどに激しく、深く、熱を打ち込み続けた。
「あかんっ……これ、凄っ……あぁ……っ!」
玄関の冷たい床の上で重なり合った体温と、
ぐちゅぐちゅと淫らに響く激しい水音―――。
理性を完全に失った俺は、
必死に俺を求めてしがみついてくる廉を
貪るように愛し続けた。
ゴムをする余裕もなく、
ダイレクトにお互いの熱を分け合った後、
廉はふっと糸が切れたように
俺の腕の中で意識を手放した。
熱の冷めない肌に残る震えを感じながら、
汗と体液で艶やかに濡れたその細い身体を
優しく抱き上げ、ぐったりと脱け殻のように
眠る廉をベッドへと慎重に運んだ。
洗面所でホットタオルを準備し、寝室へと戻ると、
ベッドの上で眠っていた廉がかすかに身じろいだ。
「……廉、ごめん。起こしちゃった?」
廉は長い睫毛を揺らして熱の引かない瞳を薄く開け、
その視界でぼんやりと俺を捉えた。
「……しょぉ」
叫びにも近い喘声をあげ続け、掠れて
殆ど音にならない廉の喉に口移しで水を与え、
ベッドの端へ腰を下ろす。
「……しょぉ、ごめん、俺、、」
「起きなくていい。身体、拭くね。
嫌だったら言って」
小さく頷いた廉の肌を
お湯の湯気が立つ温かいタオルで、
そっと、拭い去っていく。
タオルのぬくもりに小さく吐息を漏らした廉が
「……これ、いつまで続くんかな」と、
不安そうにぽつりと零した。
拭う手が、廉の首筋にそっと、触れる。
そこは、αとΩが永遠の契りを交わす場所―――