合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB 他】
第5章 お題小説 花モチーフの歌 + α
私(わたくし)が殊現様を初めて見たのはまだ齢5の時でした。
その時の彼はどこもかしこも尖っていて、いつも眉間に皺を寄せ、目の下には隈を作り、衛善様の側に居ながらも、どこかこの世の不条理にいつも怒っていました。
それもそのはずで、殊現様のご両親は深夜に暴漢に襲われ亡くなったそうです。
下手人は未だ見つかっておらず、殊現様はその怒りの矛先をどこに向ければいいかも分からずにいらっしゃるようでした。
そんな殊現様が『罪には報いを』と。
そんな風に心を固めるのは仕方のないことだと思いました。
山田家に入門したばかりの頃の殊現様は何処か近寄りがたく、また彼も自分から山田家に馴染もうとはしていなかったように見えました。
「理解出来ませんね。剣の腕は下手な方がいい。何度も切り込んでようやく首が落ちるくらい。その方が罪人も苦しんで死ぬでしょう。刃を潰してギザギザにするのはどうですか?」
山田浅ェ衛門は痛みも感情も拝した一刀を理想とする。
山田家の我流に殊現様は不満のようでした。
そんな殊現様を根気よく諭していたのは衛善様。
そして……。