第10章 初めてのインターハイ予選
「………」
蛍から簡単に当時の詳細を聞いて、ほんのちょっぴり沈んだ気持ちで二階席に戻る。
青城の人たちも次は試合があるのでここにはいなかった。
”伊達工”
確かに、高身長の蛍も小さく見えるくらいに大きな人がいたな。
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー伊達工!!!」
また体育館が伊達工一色に染まっていく。
心に残る小さな不安を塞いで、あたしは目の前のコートに集中することにした。
きっと、このメンバーなら———
「ナイスコース日向!」
一本目は何とか翔陽がブロックから逃れて得点を挙げる。
先制点を取れたのはうれしいが、どこに上がるかわかりにくいはずの飛雄のトスをしっかり見極めてついてくるブロックに冷や汗がでる。
身長が高いだけでなく、スピードも持ち合わせていた。
強豪と言わしめる理由がよくわかる。
しかしそのあと、旭先輩のスパイクは伊達工のブロックに捕まり得点を許してしまう。
取ったり取られたりの攻防戦がすごいスピードで駆け抜けていった。
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「遅ぇーよ!試合終わってたらどーすんだよ」
「だって珍しくお客が来てて」
「早く早く!」
「よかった男子の2回戦まだやってる!」
「すごい、伊達工に勝ってる…!」
伊達工の試合を見ようと集まってきた人々に加え、あたしの周りには烏野女子バレー部の人たちと烏野OB、滝ノ上さんと島田さんが駆けつけていた。
「あ、永瀬さん」
「こ、こんにちは」
「そっか、男子バレー部のマネージャーになったんだね!」
「すみません、見学させてもらったのに…」
「いいのいいの!…って、え?何今の…」
入学当初、女子バレー部を案内してくれた道宮先輩が声をかけてくれる。
申し訳なさがあったものの、とてもさっぱりとした性格のようで、彼女は明るく笑ってくれていたが、目の前で繰り広げられる翔陽と飛雄の速攻に釘付けになっていた。
「あれって1年だよね?」
「あの小さい子、すごい飛ばなかった?」
「そうなんです!翔陽と飛雄…10番と9番のコンビは、すごいんです!」
自分の事ではないのに、誇らしくなってしまう。