第10章 初めてのインターハイ予選
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー伊達工!!!」
試合開始の合図と共に、会場に鳴り響いたのは大きな声の伊達工コール。
そういえば、烏野のコールとかってあるのかな?
いや、マネージャーとして作っておくべきだった?
「が、頑張れ烏野ーッ!!!」
出来る限り声を張るが、この声が届いているかはわからない。
それでも気持ちで負けるわけにはいかないのだ。
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序盤からガンガン攻めた烏野は、2-0という形で危なげなく勝利をもぎ取った。
「鈴ちゃん、お昼でも一緒にどう?」
「失礼します!!」
さっと荷物をまとめて、お絡んでくる及川さんの事を無視してあたしは二階席から走り去った。
一刻も早く、みんなにおめでとうを言いたくて。
あんなに気持ちのいい試合、興奮しない方が無理だ。
「……」
「アイツ、お前の扱いうまいかもな」
「うまくないでショどう考えても!!この及川さんを無視するなんて生意気な子ッ!!」
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「お疲れ様!おめでとう!!」
「あ、鈴!」
「ごめんね、声全然届かなかった」
一階ロビーに行くと、ベンチでゼリーを啜っている蛍と忠を見つける。
翔陽と飛雄はすでに外に出て行ってしまったようだ。
「届いてたぞー、ありがとうな」
「旭先輩!」
後ろから現れた旭先輩が優しく声をかけてくれた。
たった一人の声援が、あの騒がしい体育館で届いていたことに驚きつつ、「おめでとうございます」と返すあたし。
「引き続き頼むな?」
「お任せください!」
にへらと笑顔でそう言う旭先輩の顔は、どこか力が入っているようにも見えて。
そのまま旭先輩は手を振ってひとけのない方へ歩いて行ってしまった。
「あれ、なんかちょっと固い?」
「…多分、次が伊達工とだからでしょ」
「蛍、何か知ってるの?」
「…まぁ、多分。あの人がバレー部から一時的に逃げてたのって、3月の伊達工との試合のせいだよ」
「えっ?」