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【ハイキュー】幼馴染を応援しています

第12章 いざ東京へ





本格的な練習が始まり、体育館の熱が上がっていく。

翔陽と飛雄のいない烏野は、他校との試合にくらいついてはいるものの、調子を取り戻すことはできず、連戦連敗。

負ける度に課せられるペナルティ、フライングで、さらに体へと負荷をかけていく。
汗をぬぐうタオルもみるみる消耗していき、本日二回目の洗濯へと向かう。

「…鈴」
「あ、え、研磨?」

ゲーム機をいじるわけでもなく、体育館のの壁に背中を預けて、膝を抱えるように座り込んでいた研磨が、前髪の隙間からゆっくりとあたしを見上げた。
その猫みたいな切れ長の瞳は、いつも以上に眠そうで、かつ、いかにも「もう一歩も動きたくない」と言わんばかりにぐったりと濁っている。

「どうしたの? 練習は……」
「……休憩。クロがうるさいから、抜けてきた」

そう言って、研磨は私の足元に置かれた、山積みの濡れたタオルのカゴに視線を落とした。

「……それ、また洗うの? 鈴も大変だね」
「あたしは大丈夫。今日も暑いから、仕方ないよ…。研磨こそ大丈夫? 熱中症とかじゃ――」

心配になって、抱えていたカゴを置いて研磨の前にしゃがみ込もうとした、その時。

「おーい、研磨ァ! 」

遠くの体育館の入り口のほうから、黒尾さんのよく通る大声が聞こえてきた。
研磨は「げっ」とあからさまに嫌そうな顔をして、きゅっと身体を縮こまらせる。

「……クロの声だ。また引きずり戻される」
「あはは、じゃああたしの後ろに隠れる?」

なんて冗談めかして、干しかけの白いタオルの陰を指差すと、研磨は少しだけ目を見開いた。
そして、本当にあたしのすぐ隣まで音もなく這い寄ってきて、風に揺れる大判のタオルの隙間に、私の背中を盾にするようにしてすっぽりと収まってしまった。
近い。
いつもゲームの通話越しに聞いていた研磨の吐息が、すぐ耳の横で聞こえる。
柔軟剤の匂いと、走った後の、男の子特有のほんのり熱い体温の匂いが、タオルの陰の狭い空間に満ちていく。

「……ここなら、見つからない?」

上目遣いで、あたしの顔を覗き込んでくる研磨。
その距離の近さに、私の心臓がドクン、と大きく跳ねた。


…かわいい。



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