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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第6章 あの空の向こうで【五条悟・高専編】



「てかさ、父さんは?お前のパパ、仕事?」


桜はビクリとして俯いた。

「パパは…会ったこと…ない。」

「一度もか?」

「………」

コクンと頷く桜と雫を交互に見つめる。


桜と雫はそっくりだ。

色白で、人形のように整った顔立ちをしている。

故に、父親がどんな顔かは想像がつかなかった。




グー…

「っ……。」

桜が赤い顔をして腹を押さえた。

「お腹空いたよね、桜ちゃん。何か食べたい物はある?
私も悟もお腹が空いたから、何か買ってくるよ。ついでだから、何でも頼んで。」

「………」

「好きな食べ物とか、あるかな?」

桜は俯くと、モジモジしながら畳を弄り始めた。

「ハ………」

「ん?」


傑が桜の顔を覗き込むと

「…ハンバーガー……」

桜は意を決したように、少し大きな声でそう言った。











ーーーーーーーーーーーー


side 傑


『ん………』

「…起きたかい?」

『っ…桜?私……』

焦って辺りを見渡す雫ちゃんに、桜ちゃんが寝ている場所を指さす。


「雫ちゃん…体はどう?」

『うん……ありがとう…』

「…ごめんね。ホントに。」

深々と頭を下げる。

本当に考えがなかった。


『傑君、ありがとう。私こそごめんね…
自分の事は自分でちゃんと管理しなきゃなのに、あまりにも桜が嬉しそうで、私もはしゃいじゃって…』

首を振って、尋ねた。


「雫ちゃん、体…あまり強くないの?」

『………』

「言いたくないならいいんだ。ごめん…」

『ううん…』



しばらく沈黙が続いた。

『ご飯…作らなきゃ。』

立ち上がろうとした雫ちゃんの肩に触れた。

「寝ていた方がいいよ。すごい発汗だったし、疲れてるでしょう?
桜ちゃんのリクエストで、夕飯はハンバーガーだよ。悟が買いに行ってる。あと、飲み物とか、食材とか、不足しているものも買ってくると思う。ごめん、雫ちゃん。冷蔵庫もさっき見せてもらった。」

『………』

俯く雫ちゃんの表情が見えない。




パタ…パタタ…

涙の粒が畳を濡らした。


「っ…雫ちゃん…ごめん。」

フルフルと首を振る雫ちゃん。
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