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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第6章 あの空の向こうで【五条悟・高専編】




 ( 悟…そろそろ将来の事を真面目に考えんか。
そんな様子では私も安心できない。)








「……はっ。うっせぇ、糞親父…」


ふと、地面から足が離れていることに気づいた。

考え事をしている時はよくこうなる。
もっと自分の力をコントロールしなければ。
わかっているのに…

右手に持っていたアイスが、ポタリ…ポタリと溶けて地面に落ちる。




今日、本家に顔を出した。
定期的に寄れと言われているから行っただけ。
そこで会いたくもない親父にたまたま出くわしてしまい、お小言を頂戴したってわけだ。


勿論俺だって、将来の事を考えていないわけじゃない。
五条家の六眼持ち。
自分がこの先どうなるか、わかっているからこそ今はただ、傑や硝子と他愛ない事をしたり、馬鹿話をしたりして過ごしたいのに…


それを許可したのは親父だろ。
久々にイライラして、立ち止まる。



「まぁ……普通の生活なんてのが、そもそも無理な話か。」



この世にマジョリティとマイノリティがあるならば、俺は完全にマイノリティ側。何もかもが普通じゃない。
体も、家柄も、境遇も。

何でこの世には術師と非術師がいて、呪詛師や呪いがあるのだろう。
空を見上げながら、久々にガキの頃考えた事が頭をよぎる。



「俺って…非術師だったら、なりたいもんとかあったのかな。」



見上げた空は、だんだんとその色を薄くし始めた。


「どーうしちゃったのかねぇ…俺。」


…大丈夫。現実と向き合わなきゃならない時期がきたことがわかって、ちょっとおセンチになってるだけ…

「さてと…街にでも寄ってくか。」


こんな顔をアイツらに見せて、心配かけたくない。
硝子はともかく、傑にはすぐ見破られる。


ふっと笑い、駅方面に引き返そうとすると、足に柔らかいボールが当たった。


『っ…すみません。』

公園から飛び出すように、小柄な女がボールを取りに走って来た。

見たとこ俺と同い年…か、歳下か。
後ろには小さいガキもいる。
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