第1章 Episode 01
「...なんだ、お前。震えているのか」
「っ...リヴァイ。これは、その...何でもないの」
「.....」
リヴァイは内心少し驚いていた。彼女は自分よりもずっと長い間調査兵として活動しているし、この様な悲惨な状況も初めてというわけではないだろう。彼女の心は思っていたよりもずっと弱い。無惨に食いちぎられた遺体を眺めながら心ここに在らずといった表情の彼女を見て、リヴァイは思う。彼らの死にまた責任を感じているのか、それとも自分もこうなるかもしれないという恐怖なのか、いずれにせよ彼女をこのままにはして置けない。リヴァイはその心配を表には出さないものの、彼女のことを気にかけていた。
「っ....」
「....そんなに顔色が悪いままで調査について来られても困る。お前は少し休んでおけ」
「いや、そんなわけには_」
「_エミリー」