第21章 Psalm 121:1-3
夢にまで見た、部屋の中──
あの頃と何も変わっていない。
壁紙もラグも家具の配置もそのままに。
翔を寝室のベッドに寝かせると、壁際にあるソファベッドに歩み寄った。座面には服が数着、乱雑に置かれている。
それをどかして腰掛けると、どっと疲れが押し寄せてきた。
入るつもりじゃなかったのに。
あんなところで倒れているのを見てしまったら、勝手に体が動いてしまった。
どうしていいかわからず、顔を手で覆った。
「まずは…医者…か?」
急を要する状態かどうかの判断がつかなかった。
今まで病人なんて看病したことがない。
まずは医者に見せなければいけないだろう。
いやそれよりも松本潤に連絡したほうがいいんだろうか。
きっとあいつならなにか知っているはずだ。
もしかしたら翔がかかっている医者もわかるかもしれない。
でも……
正直、もうアイツに翔を任せたくない。
「ああっ…もうっ…」
関わらないと決めたじゃないか。
なのにこんなくだらない嫉妬をしてどうする。
髪を掻きむしってもいい案が出てくるわけでもなく。
翔はいまは、ただ眠っているようだ。
立ち上がってスマホを取りに部屋に戻った。