第15章 Genesis2:16-17
翔の体を丹念に洗って。
もう一度温まったら、風呂から上がった。
翔は足に力が入らないらしく歩きにくそうにしてたから、身体を拭いてパジャマを着せたら寝室へ運んだ。
「あれ?もうシーツ替えたの?」
「うん。翔が起きなかったらすぐここに横になれるように、替えといた」
「凄い智、有能な主婦みたい」
「じゃ家政婦として雇ってくれるか?」
「…え?」
絶句してしまった翔の顔を見て、しまったと思った。
誤魔化すようにベッドに下ろすとぽんぽんと頭を撫でた。
「晩飯、作ってくる。それまで寝てろ」
「え?ああ…うん…」
…ごめん…
この先のことに、期待もたせるようなこと言ってしまった。
極力、翔は先のことを言葉にしようとしない。
俺も先のことについて言及しないようにしてたのに。
寝室を出ると、キッチンへ戻った。
窓の外はもう日が落ちていて、薄暗かった。
リビングのカーテンが開いたままだった。
閉めようと窓に近づくと、レースカーテン越しにベランダに人影が見えた。
一気に身体に緊張が走った。
とっさに武器になりそうなものを探して手を伸ばしたら、その影が両手を上げて、ホールドアップした。
「……え?」
見覚えのあるシルエットは、手をブンブンと振った。