• テキストサイズ

Maria ~Requiem【気象系BL】

第10章 Jeremiah8:4


出口まで見送ると、父親が顎で俺を呼んだ。

「だめだった。警察が来るから、俺は会場には戻れない」
「わかりました」
「母さんを会場に戻すから、あとは叔父さんたちと母さんでなんとかする。おまえは舞と修を頼む」

叔父は父親の弟で副院長をしている。
担架と一緒に会場を出ていったが、この後すぐ戻ってくるんだろう。

「食事をしたら部屋に戻るよう言っておきました」
「そうか。なら来るか?」

控室に運んだあの人の、救命措置を続けるんだろう。
だめだったとは言っているが、まだAEDを使ったわけじゃないからそれもやるのかもしれない。

「行きます」

急いで控室に行くと、椅子やソファはずらされて男性は床に寝かされていた。

父親がいくつか指示を出すと、半数の人は会場に戻っていった。
その中には母親も居た。

母親はここの片付けを指示していたんだろう。
俺に気づくと口をきゅっと引き結んで頷いて、会場に戻っていった。

入れ替わりでホテルの人が何人か入ってきた。
AEDのオレンジ色のバッグを持った人も居た。

「失礼致します。支配人でございます。櫻井様、とんだことで…」
「ああ。すまんな」

先程心臓マッサージをしていた救急の診療部長が、今度はぎこちなくAEDを作動させている。

「翔、良く見ておきなさい」
「はい」

処置を見させてもらっていると、支配人と父親の会話が聞こえて来た。

/ 495ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp