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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第4章 𝕂𝕒𝕝𝕒𝕟𝕔𝕙𝕠𝕖 𝕦𝕟𝕚𝕗𝕝𝕠𝕣𝕒





勝己くんの私に対する口癖はいつもこうだった

゛お前弱ェからオレがお前を守ってやる゛

勝己くんは他園の子だったけど
いつも(私がひっついては)一緒に遊んでた

勝己くんに弱い、って言われるのは不思議とイヤじゃなかった。
自分の中に強い勝己くんへの憧れがあって、勝己くんより弱い自分をどこか気に入っていた節があったと思う



『かつきくんはヒーローになるんだね!すごくにあうと思う!』

「当ったりめーじゃん、個性も強いし無個性のデクとレベルがちげぇんだ」

「ぼ、ボクだってヒーローになりたいよ…」

勝己くんの元へ行けば、緑髪の気弱そうな男の子がいることが多かった
今思えばあれは緑谷くんだったんじゃないかと思う

二人は幼馴染だし、緑谷くんに教室前で覚えた既視感に合点がいく

でも、緑谷くんは無個性じゃない
私がいなくなったあとに発生したのかな

『いずくくんもなれるよ!!
いずくくんは誰よりも優しいもんっ』

「あ、ありがとう ひかりちゃん」

勝己くんはいつも緑谷くんにイヤなことを言うから、私が緑谷くん側につくと決まっていつも不服そうに顔を顰めた。




『ゆうえい…?』

「そうだぜ、あのオールマイトが卒業したとこなんだ
オレはそこに行ってやる」

『わたしも行きたい!勝己くんと同じところ!』

「いいけど、 ひかりはふつう科だな」

『ふつうか…?』

「そ、オレはヒーロー科
でも ひかりはヒーローにはならねぇからふつう科」


勝己くんは私の返事を待たず、ニカッと歯を出し笑顔を見せる

「 ひかりはずっとオレに守られてんの
ふつー科でも学校同じだから、一緒に通えるだろ」


嬉しい、勝己くんとずっと一緒にいたい

当事、私の世界では勝己くんが中心だった
彼と一緒ならなんだって出来る
怯弱な私は彼の自信を自分の自信に変えていたの


頭の上で鳩が飛び立つことさえ私達を祝福してるように思えた



年月は流れ、私達は各々小学校に通い始める
少なからず3年間は一緒にいたはずなのに出てくる記憶は僅かで、幼い記憶の脆さを思い知る

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