第4章 𝕂𝕒𝕝𝕒𝕟𝕔𝕙𝕠𝕖 𝕦𝕟𝕚𝕗𝕝𝕠𝕣𝕒
合わせた額から轟くんの熱をうっすら感じながらも自分の熱もあっちに伝わってると思うと恥ずかしいと思わずにはいられなかった
額がくっついている間はぎゅうっと目を瞑り、体をガチガチに固くしていた
「…地味に熱いな、念のため右手で冷やすか?」
轟くんが上に掲げた右手を見て私は首を盛大に横に振る
『う、ううん!ちょっと今日は元気がなくて…
本当にもう大丈夫みたいなの!だからぁその』
呂律の回らない口をなんとか保とうとする
急激に体が汗ばんできて顔が焼けるように熱い…私はその場から立ち上がり、轟くんから逃げるように後ろ足で距離を取っていく
「最近なんかおかしくねぇか」
ギクッ
私は分かりやすく肩を揺らし立ち止まる。轟くんは私が止まったことをなんらかの肯定だと捉えたように言う
「最近つってもそんな長い付き合いじゃねぇが
…USJん後からオレに対する 秋月 の挙動に違和感を感じる」
轟くんに、バレてる…!!!!
でも…それもそうだ
だってUSJ以来から目が合ったのは今日が初めてだったのだから
『……わたし、とど…』
そこまで言いかけたとき
背中にぶつかったような衝撃が走る
驚き後ろをふり向くとそこには両ポケットに手を突っ込んだ爆豪くんがこちらを見下ろしていた
「邪魔だ、どけ」
爆豪くんは私を見たあと、轟くんに視線を向けて一層眼光を光らせる
相変わらずなトゲトゲ言葉に怯むけど、私は爆豪くんが来たことに内心どこかホッとしていた
『爆豪くん!!!やろう!!!』
「あ?」
『鬼ごっこだよ!!!』
数秒その場の空気が固まり、爆豪くんの口が重く開かれる
「頭沸いてンのか、やんねぇわ」
『沸いてない!前みたいに追いかけてよ!』
「なんでてめェに言われて追いかけなきゃいけねぇンだよ、あぁ?」
『前に全部返り討ちにするって言ったじゃん!!
全力で挑んでこいって!!!』
爆豪くんは微かにこめかみをピクッとさせ
苛立ちを隠せないように口元に弧を浮かべる
そして私の首に腕を回し、グッと引き寄せる
首が締め付けられ呼吸がしにくくなる
爆豪くんは私の肩に手を回したまま目の先にいる轟くんに言い放つ
「ンじゃあコイツ貰っていくわ」