第4章 𝕂𝕒𝕝𝕒𝕟𝕔𝕙𝕠𝕖 𝕦𝕟𝕚𝕗𝕝𝕠𝕣𝕒
また自分だけの世界に入りそうになったとき三奈ちゃんが意味深な笑みを浮かべ、お茶子ちゃんに顔を寄せ言う
「麗日〜聞く相手間違ってるっつーの
そこは爆豪じゃなくて轟でしょ〜」
…とどろき、くん
考えないようにしていたのにどうしても頭の片隅にいつもいるの
゛自分でもわからねぇ、けど…
オレの手で守りてぇって思う_____゛
『と、轟くんは関係ないのっ!!!!
わたし…はそんなんじゃないもん!!!』
教室中に響き渡る自分の声。ハッと我に返ったあとにはもう遅くて、腰を上げクラスみんなの視線を集めていた。私は恥ずかしながらも教室に轟くんがいないことを確認し胸を撫で下ろす。
……やっちゃったぁ…恥ずかしい
『…私ちょっと出るね…』
「どこ行くのー?轟のとこー?」
『違う!トイレ!!』
この痛い視線から逃げたくて私は二人にそれだけ言い教室を出る
お茶子ちゃんと三奈ちゃんは私の姿が見えなくなったあと声を潜めて呆然とした様子で喋り出す
「ねぇ、麗日あれって多分そうだよね」
「うん、多分っていうか確定じゃないかな」
私は教室を出るなり、のそのそとした足取りで手洗場とは反対方向へ歩き出す。壁に体を押し付け寄りかかっているため、はたから見れば具合が悪いように見えるかもしれない
それでも今一番この体制が楽だった
モヤモヤする
轟くんの顔が思い浮かんでくる
自分が自分じゃないみたい
もどかしい、変な感覚
USJの後から、いや違う
バスに乗ってるときに"それは"確実に私の中で蠢いていて
あの時、
あのとき轟くんが私を抱き締めたとき_____
゛ 秋月 のことオレに守らせてくれ゛
そこからハッキリと姿を現した
『っ〜〜〜〜!!!』
脳内で何度も再生されては顔に熱が集まり、勝手に恥ずかしくじれったい気持ちになる。私はその場でしゃがみ込み、両手で顔を覆う
…私へん…なんなのかな…この気持ち
轟くんに会いたいのに会いたくない、
喋りたいのに上手く会話できない
そう私はUSJのあとから轟くんを避けてる