第4章 𝕂𝕒𝕝𝕒𝕟𝕔𝕙𝕠𝕖 𝕦𝕟𝕚𝕗𝕝𝕠𝕣𝕒
゛USJ襲撃事件゛
あの事件は多数の報道機関により広く知られ、少なからずヒーロー社会に不穏の渦を巻き起こらせ、人々の心に不安を残すこととなった
私は事件の当事者の一人でもあるけれど
実際ことの顛末を見ていた訳じゃない
だけど、揺るぎない事実はオールマイトがやっつけた
あの人は正真正銘"平和の象徴"なんだと改めて再認識させらる事件となった
そして、もうすぐ迫ってきているのは…
「ねぇねぇ体育祭に向けてウチらで特訓しようよ!!
麗日がなんやかんや浮かせて、私と 秋月 でそれを狙い撃ち」
「それいいね!私も無重力化の持続力鍛えられるし一石二鳥や!」
「でっしょ!じゃあ来週の放課後から体育館γで特訓しよー!」
「おぉー!!!………って ひかりちゃん?」
「 秋月 生きてるかー??」
目の前で三奈ちゃんがそのピンク色の両手をかざし、上下に振って見せる。ボヤっとしていた私は我に返り、寸分前の耳に残っている会話をリピートする
『あ、うん!!体育祭に向けての特訓だよね?
私も参加したいかな!』
「みんなで一緒に強くなるぞぉー!」
雄英体育祭まであと2週間。今年はUSJで悲惨な事件があったにも関わらず、セキュリティ強化に伴い開催は決行
右拳を上に突き出していたお茶子ちゃんは何かを思い出したように声を漏らす
「そういえば ひかりちゃん、爆豪くんとはどうなったの?まだ鬼ごっこ続いてるん?」
お茶子ちゃんの問いに三奈ちゃんの視線もやってくる
二人とも私が放課後空いていない可能性を配慮してくれてるのだろう
『それがね、USJからめっきり追われることはなくなって
爆豪くんも体育祭に向けて忙しいのかも』
「そっか〜よかったねぇ」
うん、と頷いてみせたけど心は晴れなかった。爆豪くんに追いかけられたときは正直苦で、常に自分の身を守るのに必死だった。でも爆豪くんという強い相手を前に私の個性は対応しようと柔軟させ適応力を増していった。
仲良く、までとはいかなくても
お礼が言いたいしどこか彼には引っかかる