第3章 𝔸𝕘𝕒𝕡𝕒𝕟𝕤𝕒𝕤𝕦
翌日学校へ行くと、席につくなり大勢のクラスメイトに囲まれた
「 ひかりちゃんだよなー!
オレ昨日からずっと可愛いなって目ぇつけてたんだよ!」
「おい上鳴、それはぶっちゃけすぎだろ
流石に引くって」
瀬呂くんがすかさずツッコミを入れ、「いいだろ別に」と言う上鳴くんの背後で誰かが顔を覗かせる、切島くんだ
「おう、 秋月!オレ切島鋭児郎
昨日挨拶しようと思ったんだけどささっと帰っちまうからな 秋月 」
『あ、ごめんね、切島くん』
「気にすんなって、こうやって話せてんだから問題ねぇよ!」
名前は名簿と照らし合わせて昨日ある程度のクラスメイトの名前は覚えていた。けれどやっぱりどんな人なのか分からないので緊張は拭えなかった
「チッ、カッコつけやがってよぉ…」
いきなり始まった上鳴くんと切島くんの言い合いを宥めようとしたとき
二人の間をこじ開けてピンクかかった肌が特徴的な女の子が顔を出す
「ちょっと男子だけで 秋月 ドクセンすんの禁止ー!」
「そうそう私達も ひかりちゃんと話したいんだから!」
誰が言ったんだろうと辺りを見回すと透明人間の葉隠さんだと気付きひとりでに納得した
私の机に両手を置き勢いよく顔を寄せられる
「私芦戸三奈! 秋月 ほんっと可愛いよね!!昨日見たとき、ピカって光ってたし天使かと思っちゃった!」
「わかる!!羨ましすぎる可愛さだよ!」
ピカって光ってたのは私の個性のこと
強張らせていた体が鎧を脱いだみたいに脱力感があった
なんだか変に緊張して却って失礼になってしまったかな
「 秋月 さん人気者だね…!」
後ろの席に座る緑谷くんが体を少し前のめりにさせコソっと言う
私はそんな事ないと首を横に振る
緑谷くんも会話に加わり、みんなで談笑していたときだった
「邪魔だカス共、騒ぐんなら他所でやれやッ」
私の前の席の爆豪くんが音を立てて席に着く
上鳴くんが「こえー」といい芦戸ちゃんが「いーじゃん、ちょっくらいー」と頬を膨らまて呟く
私は顔を小さく傾け、前に座る爆豪くんの顔を窺う
…どこかで、見覚えあるんだけどなぁ