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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第2章 ℍ𝕒𝕣𝕕𝕖𝕟𝕓𝕖𝕣𝕘𝕚𝕒




着々と体力テストという名の個性把握テストは進み
全員が一通り測定を終わらせる

大丈夫、大丈夫最善を尽くしたんだから…っ
不安なのは長座体前屈
中学から苦手だったとはいえ酷い結果だった

「んじゃパパッと結果発表」

開示された結果を食い入るように見た
自分の名前をモニターと照らし合わせ探していく


『…9位…』

ホッとしたのと同時に上位の人の名前が目に入る
1位は八百万…百さん
確かあのポニーテルで上品な黒髪の子
すごいなぁ…

2位は…
その瞬間モニターの表示が消され、相澤先生が口を開いた

「ちなみに除籍はウソな
君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」





『「はーーーーー!!!!??」』


ウソー!!…で、でも
私は横目で目を皿のようにしてる緑谷くんに視線を動かす
…彼が除籍にならなくてよかった…

緑谷くんまだ個性を上手く制御出来ていないみたいだった
なんだかとてつもない強い力だからこそ扱うのが難しい!みたいでなんだか格好いいなと思った


教室に変えろうと足の向きを変えたとき
視界の隅に見覚えのある人が入り込む

左右赤と白で色が違う髪色
あの日眺めていた背中と今目に映る背中が一致する


『…あの…人…』



゛今聞かなくても明後日になれば嫌でも知ることになるぞ゛


あれってそういう…意味…
胸がギュッと縮こまった感覚になる

多分私はまた彼に会えたことが嬉しくて、浮かれてる







初日はもうこれで終了で明日から通常授業が始まるということらしい
教室がガヤガヤしている中私はあたり見回し彼の姿を探す
…どこの席に座ってたかな


「あれ ひかりちゃん帰らんの?」

『あ、うん帰るんだけど…あの人探してて』

「あの人?」

顔を斜めにさせるお茶子ちゃんに彼の特徴を口にする

「あぁ、確か轟くんじゃなかったかな?
さっきの把握テストすごかったもんね〜」

うんうんと感心するお茶子ちゃんに合わせて私もコクリと頷く

個性把握テスト2位 轟焦凍
…あぁ、なんでもっと早く気づかなかったんだろう…

「轟くんならね、さっき教室出ていくの見たよ」

お茶子ちゃんのさりげない一言に顔が上がる
私は『ありがとう、また明日!』と言って教室を後にする


「あらら行っちゃった…
もしかして… ひかりちゃんて」




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