第2章 ℍ𝕒𝕣𝕕𝕖𝕟𝕓𝕖𝕣𝕘𝕚𝕒
廊下を走るのはダメなんて概念は高校生にもなれば跡形もなく消し飛んでいて、とにかく走らずにはいられなかった。
…まだ間に合うかな、あの背中に
階段に繋がる角に差し掛かった時
『ひゃあっ』
「ッは」
勢いをつけた体はブレーキが聞かず、ぶつかってしまう。衝撃の反動で尻もちを付きそうになったが必死に堪えた
ぶつかった彼はあの怒りっぽい金髪の人で
分かりやすく不機嫌そうにこちらを見下ろしてる
…怪我はしてないよね
本当にぶつかったのは彼だったのかと思うほどピンピンとしていた
『急いでて…前見えてなかったの、ごめんね!!』
深々と頭を下げ、彼の横をすり抜け走り出す
「おいッてめぇ!んだその態度は…」
確か…彼は…相澤先生が
私は一旦足を止め、思い出したように彼の方へ振り返る
『爆豪くん!また明日!』
呆気に取られている爆豪くんに再び頭を下げ、快活に歩みを進めていく
「チッ」
「うぜぇ」 .。