第2章 ℍ𝕒𝕣𝕕𝕖𝕟𝕓𝕖𝕣𝕘𝕚𝕒
『1ーA、1ーA1ーA1ーA………』
私のクラスは1ーA
1年生は何クラスもあるのだけどヒーロー科はたったの2クラスだけ
長い長い廊下を抜けて、縦で"1ーA"と記されたドアを見つける
き、キンチョーするよぉ…
一体どんな子達がいるのかな
いかにも強そうで、体格とかも良くて喋り方も風格がありそう…
あぁ、だめ!オールマイトのイメージに釣られてしまう…
両頬をバシンと叩き、冷静さを取り戻す
『…あれ』
ドアの前に一人男の子が立ち竦んでいる
緑がかった癖毛とそばかす、大きく丸い目がとても特徴的だ
私と同じで物凄く教室に踏み入るのを緊張してることが分かる
自分だけじゃない
この気持ちがどれだけ心強いか今更ながら実感する
私は彼の近くによって声を掛けてみる
『よ、よかったら一緒に入らない…??』
何を言えばいいのか分からなくて、ぎこちなくなってしまう
声を掛ければ肩を大きく跳ねらせ顔をゆっくりこちらに瞳を向けられる
…あれこの人どこかで見覚えが…
一気に懐かしい雰囲気に包まれそうになり、首を横に振り戻ってくる
向こうも同様に固まっていたが直様口を開く
「あ、ごめん!ボクずっと突っ立ってて邪魔だったよね」
『ちがうちがう!私も緊張してて…あ、決めつけてごめん!!』
たどたどしい自分たちの会話に思わず二人揃って吹き出す
それからお互い笑みが残った顔で頷きあい、教室の取っ手に手を掛けた
『っ…!!』
吹き荒れる嵐のような威厳に、身を震わせる____
なんてことはなく、普通とはちょっと違うけど
そこは"学校"だった
「机に足をかけるな!
雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が!」
うわぁぁ…
怖い人と怖い人!!
隣の緑髪の彼も二人を見て臆していた
私も微笑を浮かべて再び言い合ってる二人へと視線を上げた時
「あ?」
『…ぇ』
薄い金髪に曇りのない赤の三白眼
私と緑髪の彼が教室に入ったのに気付いたのかこちらに顔が差し向けられていた。隣の彼を軽く睨んだあとその鋭い眼光は私へ降り注ぐ