第2章 ℍ𝕒𝕣𝕕𝕖𝕟𝕓𝕖𝕣𝕘𝕚𝕒
朝、目が覚めると視界がボヤけてることに気付き何事かと思い鏡に映る自分を見て驚いた
『…なんで涙、なんか』
昨夜見た夢が関係あるのだろうか
……ってそんな訳ないよね
濡れている顔に更に水を足す
顔を洗い目覚めた意識のまま制服に袖を通す
新しい制服や風が連れてくる桜の香り
どれも真新しくて目まぐるしくて心を明るくする
忘れ物がないか何度も何度も確認する。家を出る前に啓悟くんに貰った羽根を胸に抱きしめ、ブレザーのポケットに仕舞い込む
私頑張るから、啓悟くんが誇れるくらい立派になってみせるもん!
啓悟くんの顔が思い浮かんだあと
昨日の名前も知らない 彼 が頭を過る
『…会いたいなぁ』
ボソっと呟いた言葉は誰にも聞こえるはずない。諦めてさっさと靴を履き新住居を出た
『行ってきます!』
踏み出したここから私のスタートラインになる