第9章 𝕎𝕒𝕥𝕖𝕣 ℍ𝕪𝕒𝕔𝕚𝕟𝕥𝕙
オレは今じゃなくていい
今は傍にいて笑顔を咲かせることが出来れば十分なんだよ
傷付いて泣かせてしまうくらいならオレは…
『 ひかりちゃんが誰と付き合おうが構わない』
彼女が何かを発する前に唇を塞ぎ、唇でこじ開けて無理矢理舌を突っ込む。口蓋をなぞり、歯列を舐め回し、グチャグチャに口内を犯し続ける。呼吸するのも忘れ無我夢中でがっついていた。
「ンッ//…ぁっ…ふぅ…っちゅ…んんっ…///」
『…ハァー…ごめ…』
離れた唇の間から銀色の糸が引き、口横から垂れているどちらとも分からない唾液を舐め取る。
「ぁ…や…啓ごくっ…」
涙が燦然と浮かぶ瞳はオレを通して誰かを見てる。
可憐で華やかで、綻んだ笑顔があどけない…オレが大事で大切にしてきたこの世でたった一輪の花。
踏み荒らす訳には行かないって分かってんのに…
「……わたし…」
『……ん、なに』
鈴を転がすような甘い声が耳に響く。
「…いい忘れてたけど…体育祭の結果ベスト8…だったんだよ?」
そう弱くはにかむ ひかりちゃんが、記憶の頃の幼い笑顔と重なる。変わったんじゃない少し大人になっただけだ
「…すごくない…?運がよかっただけかもだけど」
冗談っぽく笑う彼女の頬に手を添えて額をくっつける。
『そうだね…じゃあご褒美上げないと』
確かめるように合わせた口づけ、 ひかりちゃんがオレを受け入れようとしてる。心には焦凍くんがいるくせに…
分かってて乗っかるオレも共犯か
悪いけど傷付くだけじゃ済まないよ?
彼女の背中の下に片手を回し、ワンピのファスナーを一気に下まで下ろす。露わになった下着を脱がそうとホックにかけた手を思わず引っ込める。腰まで捲れているワンピを足元までずらして脱がせる。
舐め回すように下着姿に視線を巡らせる。
面積の少ない布で恥部を隠す ひかりちゃんの淫らな姿に避けがたい肉体的反応で大きく膨らみ始める。
抱きたくてこれまでにないくらい気持ちが昂ってる
『…はあーこれ写真に収めていい?
ひかりちゃんに会えないとき用に』
剛翼で運んできたスマホを当たり前のように構えると、伸びてきた手によって画面が真っ暗になる。
電源を切った ひかりちゃんが、唇を結んでちっとも怖くない顔で睨んでくる。