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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第8章 𝕊𝕦𝕟𝕗𝕝𝕠𝕨𝕖𝕣




「そーそー」と言う上鳴くんからスマホを受け取り「それでオレの勇姿撮ってくんね?」と頼まれ、笑いを堪えながらカメラを構える

「おー!オレ最高にかっこいいわ!ありがとなっ」

『うん、上鳴くんはすごくかっこいいよ
…ありがとね!』


「次の人スタンバイお願いしますー!」と呼ばれ上鳴くんはスタートラインに進んで、その場で二回ほどジャンプする
楽しんだもんがち、か…

前の競争者が全員ゴールして、上鳴くんの出番が回ってくる
スターターピストルの玉を交換しおえた審判が上に銃口を向ける

あとスタートまで僅か数秒といったところで彼がこちらに振り返り「あ、そう言えば」とあたかも言い忘れたように口を開く




「 ひかりちゃんはさ誰を選ぶの?
爆豪?轟?……それとも他の誰か?」


スタートを示す発砲音が会場に響き渡る
当然スタートに遅れた上鳴くんはあたふたしながらお題の紙がはいったくじを引き、書かれた内容に頭を抱えている





  



『……




「スタンバイお願いいたしますー!」

声に弾かれスタートラインの前に立つ、横には見たことない人達ばかりでヒーロー科だけじゃなくサポート科、経営科、普通科みんなが楽しむために参加してるのが伝わってくる




「よーい、ドンッ」

掛け声でみんな同時に足を動かし、お題の入った箱まで走る
ヒーロー科で鍛えてるだけあって誰よりも早く着いてお題を引く


『え、なにこれ…』

開いた紙に書かれたお題に呆然として立ち尽くしていると後者がどんどん追いついてきて余計に焦ってしまう
こんなの…わかるわけないよ…まず分かったとしてもこんなところにあるわけ…


『あ、』


この人なら…
私は迷わずその人の元まで走る、さっきも別の人に連れて行かれてて忙しい様子で申し訳ないけど

『あのっ』

「ん?まさかキミもかな?」

正直彼には好印象を抱いていなかった
だって騎馬戦のとき散々勝己くんに煽るようなことばかりいって…でも今朝私を控え室まで案内してくれたのは紛れもなく彼なのだ

どっちの彼が本当なのか

『一緒に来てくれる?』

私は理由の代わりに彼の顔の前に紙を開いて見せる
彼のことはよくわからないけど個性は先程見たばかりだ


「なるほどね
゛何でも持てるけど何にも持てないもの ゛」

「確かにボクの個性だ」
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