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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第1章 𝔸𝕗𝕣𝕚𝕔𝕒𝕟 𝕔𝕠𝕣𝕟 𝕝𝕚𝕝𝕪




ホークスの手が伸びてきて私の左頬に添えられる。触れた手に大袈裟に肩を揺らすが、ホークスはお構いなしに顔を近づける


「 ひかりちゃんが大人になるまで
本当はずっと待つつもりだった」

そう言い切って、微かに頬を撫でる



「…大人気ないなんてわかっと…」
















「初めてなんだよ
たった一人にこれだけ心を独占されたのは」






冗談じゃない事なんて目を見れば分かる。ホークスは添えている手に力を込め顔を寄せ始める
近付いてくる彼に伴いぎゅっと目を瞑る

…私はホークスのことどう思ってるんだろう
早鐘のように激しく打ち付ける鼓動を抑えながら心に問う



「………」



来るであろうと思っていた感触が来ず、頬の手が外れたのと同時に程なく瞳を開くとホークスは元の距離に戻っていた
そして、いつもみたいに綺麗な笑顔で私を見てる

ホークスは自身の唇に人差し指を当て、ニィっと頬を持ち上げる


「ここはお預けかな、 ひかりちゃんにも待って貰わないと」


時間はかかったもののからかわれたことに気付き『もう!』とだけ言った。内心はどこかホッとしていて…寂しかった。

「それからオレの本名…」

囁くような小さな音から音声を拾う。私は少し驚きその場で固まった
もちろん、ホークスが本当の名前だと思っていたわけじゃないけど、ずっとホークスで呼び慣れてたわけだから違和感があった
それに…知らなかったんだという寂しさも心にのしかかる


『……名前、呼んでもいい?』

今度は彼が驚く番だったみたいで目を軽く見開き、意外という目で私を見た後、また屈託のない笑顔へと変わる


「うん、 ひかりちゃんに呼んでほしくて教えたんだから」

そのあと小さく何か付け足されたが気の所為だと流した


『…いごく…啓悟くん…』

慣れない呼び方に擽ったい
変な発音になってないかな…?恐る恐る啓悟くんへと視線を覗かせる



「やばっ…キスしたか…」

啓悟くんは口元とともに顔の赤みを大きな手で隠している
見ている私まで顔が茹でそうなくらい真っ赤に染まっていた

私がじぃっと眺めてるのに気付いたのか…素早くもう一方の手で視界を遮ってくる

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