第6章 𝔽𝕠𝕦𝕣 𝕠'𝕔𝕝𝕠𝕔𝕜
「あれ 秋月 どこ行くのー??」
『あ、私更衣室じゃなくてどこかの教室で着替えて来ちゃって…着替えそのまんまなの!』
「どこかって…もぉ!気おつけてよー!」
出来るだけ足早に先程の教室まで走る
……轟くん待ってる、忙がないとっ
電気をつけないと周りのものが見えないほど外が暗くなっていることに気付く。教室の中央の席に自分の着替えがドーンと主張を放つように置いてある
ドアとカーテンをしっかり締め体操服を脱ぎ始める
スカートを穿いて、上を脱いで顔を出したときだった
カサカサという音が耳に入り動きを止める
ゆっくり体の向きを変え、振り向いていく
……何かいる??
悪寒がして、気温はそこまで低くないはずなのに肌寒い
『あっ』
足元に目線がいったとき、音の正体を捉えてしまう
それはか細い足をいくつも備えており黒褐色をした________Gの姿だった
『きゃぁぁぁぁぁあ!!!!』
自分の喉から出たと思えないほどの悲鳴が教室中に反響する
肩で息をし、私の声にも動じないGをただじっと見続ける
Gって、こんなに大きいものなの…??
イメージしてたのは手のひらサイズくらいだと思ってた
足元のGはスマホくらいの面積の体をしている
さっきから全然動かないし…まるで死んでるみたい
ようやく目が慣れてきて、顔を近づけると突如「ピーープーーガシャンッ!!」と生き物とは思えない音を響かせる
もしかして…これ
私は恐る恐る手を伸ばしていたGを持ち上げてみる
その裏側を見ると機械仕掛けになっていた
全身から力が抜けてその場にへたり込む
なんだぁ…おもちゃかぁ…
道理ですごく大きいなって思ったよぉ
Gのおもちゃはよく見ると、ところとごろ破損していて、まるでこの教室に投げつけられたのではないだろうか
私は立ち上がり、Gを近くの机にそっと置く
『…三奈ちゃん達の前に現れたのはこの子なのかな』
なんだかおかしくなって笑いが込み上げてくる
______って、早く着替えないと!
私はワイシャツを手に取り広げる
早くしないと轟くんが待ってるんだか…
その時だった、叩きつけるようなドアの音に顔を上げる。ドアの先には息を乱し焦った表情の轟くんの姿があった
『えっ…とどろき…くん?』 .。o○