第6章 𝔽𝕠𝕦𝕣 𝕠'𝕔𝕝𝕠𝕔𝕜
嬉しいはずなのに、どうしてこんなに落ち着かない気持ちになるんだろうか。私は轟くんの目をしっかりもう一度見てから窺うように聞く
『ほんとに…いいの?』
「あぁ、ここで待ってる
…爆豪も一緒に待ってるか?」
「待たねぇよッ、…よくやんな呆れるわ」
私は二人に挨拶を交わして、教室を出る
更衣室で着替えようと思ったけれど、すごい人の数で溢れかえっており、その辺の空き教室で着替えを済ませた
_____体育館y
『二人ともごめんんん!!!』
ほぼ飛び込む形で駆け込むと、そこにはお茶子ちゃんと三奈ちゃんの他に切島くん、上鳴くん、瀬呂くんがいた。見慣れない光景に困惑していると、お茶子ちゃんが私に気づいて手招きしてくれる
「 ひかりちゃん、ようやく来たん!」
「もぉおそーい! 秋月 いない間大変だったんだからね!」
『?何かあったの?』
私は皆の顔を見回して言ってみる
よく見れば皆の顔は精神的にどこか疲れ切っているように見えた
三奈ちゃんは顔を渋らせて、恐る恐る口にする
「… 秋月 を待っている間、ウルトラ級にドデカいGが出たんだよ…!!」
_______G????
話の顛末はこうだった
ゴキブリ_____通称Gは元々切島くん、上鳴くん、瀬呂くんのもとに現れたそうで。上鳴くんは逃走、切島くんと瀬呂くんは捕まえようと試みて追っかけていたら、Gは体育館へと逃げ込む
当然、三奈ちゃんとお茶子ちゃんはパニック
全員で探したもののGの姿はどこにもなくっていた、と
『それって…まだこの体育館の中に入るんじゃ…』
咄嗟に出てきた感想に切島くんが頭を掻きながら首を横に振る
「それがさっき体育館の外でB組の拳藤に会ってよぉ
Gならもう気にしなくていいって言ってきたんだぜ」
つまり拳藤さんがGを捕まえたということなのかな
感心したように頷いていると、三奈ちゃんの甲高い叫び声が耳にこだまする
「もうー!男どものせいで体育館の使用時間が迫ってきちゃってんじゃん!」
「いやオレらのせいじゃねぇって、どう考えてもGのせいだろ!?」
残りの体育館の使用時間は男子と女子の言い合いで終わってしまったのだった