第6章 𝔽𝕠𝕦𝕣 𝕠'𝕔𝕝𝕠𝕔𝕜
《 ひかりside》
「…いっ…めェ…まで寝て…だ」
んんー…だれ??
上下のまぶたを薄く離すと、二人のシルエットがボヤァと映り込む
Boom!!Boom!!
耳近くで、軽い爆発音が二度鳴り響き反射的に体を起こす。すっかり目が覚めてしまい、私を囲うように立っている二人の影が顔にかかる
「おい爆豪、無理矢理起こすのはやめろって言っただろ」
「うっせぇっ、いつまでも寝てるコイツが悪いんだろうがッ」
どうして二人が一緒にいるの??
起き抜けに珍しい組み合わせに混乱しつつも
口論してる二人の間になんとか入り込む
『二人ともなんでまだ学校に??』
すると二人はピタッと喋りだすのをやめて
お互いに顔を見合ってから轟くんが口を開く
「オレは一緒に帰りたくて 秋月 を探してた
それで教室に戻ったら爆豪と二人きりで驚いた」
轟くんがいかにもな視線を勝己くんに投げ「紛らわしい言い方すんなッ」と注意される
次に勝己くんがバツが悪そうに言い放つ
「オレは鞄取りに戻ってきただけだわ
そしたらてめェが寝てたから起こしてやったンだよ」
「それはちげぇだろ、 秋月 に手ぇ出そうと…」
「てめェはどの口が言ってんだァ!?もう喋んなッッ」
なんだかよく分からないけど息ぴったり
クスッと笑ってしまったのと同時に、スマホがブルブルと震える
取り出して画面を確認すると、三奈ちゃんからラインが送られてきていた
〈 秋月 まだーー??
そろそろ終わっちゃうぞー??〉
…なにが終わるのだろう?
まだ少しボケている頭を働かせて考えていると霧が晴れていくみたいに徐々に思い出していく。そうだ!私この後、お茶子ちゃん達と体育祭に向けての特訓の約束をしていた
私は急いで立ち上がり、轟くんに向けて声を張り上げる
『轟くん!ごめん!これから体育館に用事があって…』
「前に言ってた特訓か?」
『うん…あと30分くらいしかないけど
参加しないわけにはいかないから!』
「じゃあ待ってるぞ」
『………え?』
轟くんはいつも通り、平然とした様子で口にするものだからやっぱり驚かせられる…そしてまた、ズキンと胸が痛む