第30章 【Princess & Princess】
人ごみに吸い込まれていく2人の後姿を眺めながら
……やっぱ、バランスいいんだよな、と。
海人とそうなることを諦めてはいるものの、
若干の悔しさを感じながら
ドリンクを買うために海人とキッチンカーに向かう。
慣れない英語でなんとかドリンクを注文して
カウンターで出来上がるのを待っていたとき
「しょー!」と俺の名前を呼ぶ海人の声に
振り向くと、シャッターが切られた。
「へへ、撮っちゃった!」
「…なに?急に 笑」
「何もないけど!かっこいーなーって。」
「…うるさいよ 苦笑」
正直、言われ慣れてて
普段は何とも感じなくなってるこの言葉。
だけど、海人から言われると未だに
新鮮に嬉しい俺は…多分、どうかしてると思う。
ドリンクを4つ受け取って、
さっき廉たちと別れたショップに戻る途中
立ち止まった俺を不思議そうな顔で見つめる海人。
「…どうしたの?」
「いや、、やっぱ、別行動しねぇ?って…」
「んーー…」と少し悩んだような声を漏らしながら
言葉を選びながら答える海人。
「夜は別行動だしさ、お昼は一緒に遊ばない?
オレもなかなかジンに会えないし、
紫耀も廉にはあんま会えないでしょ?」
「まぁ、それはそうだけど…」
「あっ!廉たちだ!おーい!」
ドリンクを両手で持ってるせいで手を振れないから
遠慮なく大声をあげて、2人に駆け寄る海人。
「海人は目がおっきいからウッディのお耳ね!」
「おー似おてるやん!笑
あれできる?アンディが来た!のやつw」
「コンクリの上でできるわけねーし!w」
「廉それはさすがにひどいって!苦笑 海人、
大丈夫?普段、廉から無茶振りされてない?
意地悪してきたら俺に言いなね?
叱ってあげるから!」
「へへっありがとー!でも大丈夫だよ!
ちょっとふざけすぎるときもあるけど…
裏ではちゃんと、優しいから!」
「だったらよかった!」
海人に選んだカチューシャをつけてあげて、写真を
撮り合っていた3人に少し遅れて合流した俺に
「…紫耀さん、機嫌悪くないっすか?笑」なんて、
全てを見透かしたかのような悪戯な視線を寄越すじん。
「……別に、普通だろ。」
「ふーん?ま、いいけど。よしっ!早速回ろっか!
廉と海人はどこから行きたい?」
「えっとねー…」