第29章 【ケツのツケ】
あんまり悔しいからさ、今度シークレットブーツ
でも履いて、背伸びせんと耳打ちできんように
嫌がらせしたろかなwってほくそ笑んだりして。
そんな関係を暫く続けとったある日、
ツアーのオーラスを終えた慰労会と称して
久々に海人と肉食いに行ったら
最近では珍しく、海人が俺の前で泣いた。
「かい…?どうしたん?珍しいやん。
最近、あんま泣くことなかったのに…」
「うぅ…そうだよ。
だって、泣きたくなくて我慢してたから。
廉の前でなんて…泣けるわけないからっ!」
「…はぁ?なんよ、それ。どういう意味?」
「意味っていうか…だって、そうなんだもん。
だって、オレが漢だから!廉は泣いてもいいけど
オレはそういうわけにはいかないから…!」
そう必死に訴える海人に開いた口が塞がらない。
なに?その理論…。聞いたことないねんけど。
…コイツ、まさか、、苦笑
「……あんさ、別にいいやろ
抱く側が泣いても。」
俺の言葉を聞いた海人の顔が一瞬で茹であがって
こっちまでうつりそうになる。
それにしても…
まさか、図星やったとは…。
ほんま、コイツって変なとこ拘るよな…苦笑
まぁ、そういうとこが可愛いんやけど。
「んはは!海人ってマジおもろいよな~!w」
「ひどっ!おもろいって言うなし!
めちゃくちゃ真剣だったんだから!!」
「笑 やって、おもろいやん!それで泣くの
我慢しとったとか…むっちゃ可愛いやんw」
「可愛いくないし!26歳のオレが目指してんの
そこじゃねぇから!」
わかっとらんなぁ…目指しとらんくても
可愛いなるのが海人やねんけど…
とは思ったけど、口にするのは我慢した。
「…他には?その調子じゃ他にも我慢しとったこと
あるんやろ?笑」
照れ隠しかおしぼりを小さく折りたたんでは広げを
繰り返しとった海人が「……笑わない?」って
俺をジト目で見つめてくる。
「笑わん笑わん!」
「はい、うそ!それ絶対笑うテンションだし!」
「笑わんって!もし、笑ったら
今日はお泊まりしてってええから!」
その言葉にピクリと反応する海人。
海人って…普段下ネタとか全然のってこんくせに
めちゃくちゃエロいこと好きなんよなぁ…。
「あぁ…あれ。あれ、我慢してた。」
「……あれ?」