第7章 *File7.*諸伏 高明*
「フッ」
「諸伏、さん?」
「続きをしても?」
「!」
その一言に、ボンと音が聞こえそうなほど、頬が真っ赤に染まる。
「先に断っておきます」
「?」
「今夜は寝かせるつもりはありません。と言うよりは、寝かせられないと思います」
「えっ?」
「雪乃は明日非番ですから、問題はないかと」
「うっ」
「…早急過ぎることは、理解しているのですが」
どうにもこうにも、アナタをこの手で抱くまではこの熱情がおさまりそうにありません。
「…いいですよ。私で良いのなら」
「誤解しないでください。私が欲しいのは望月雪乃さん、アナタだけです」
そう、雪乃。
アナタしか、私のこの心を満たす事が出来ないのですから。
「そう言っていただけるのなら、私の全てを諸伏さんにあげます。だから、私ももらっていいですか?」
「ええ、勿論ですよ。たった今から、私の全てを雪乃に捧げましょう」
「有難うございます。すっごく嬉しいです」
「私もです」
互いに微笑み合うと、もう一度、唇を重ねた。
それは私にとって、想像もつかないほど長く濃密と思えるような、心満たされる温かな夜の始まりの合図でした。