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*名探偵コナン*短編集*

第7章 *File7.*諸伏 高明*


「二度は言いませんよ」
「えっ?いや、あの…だっ、て…」

ベッドの真横に詰め寄り更に距離を縮めて頬を撫でれば、背中を反り身体を遠ざけながら、わたわたと赤くなる。

「触れても?」
「わ、私に?」
「此処に、私と雪乃以外の誰がいると?」
「……諸伏さん」
「はい」

頬に当てたままの私の手に、そっと温かな手のひらが重なる。
何か意を決したような表情で。

「好きです」
「!!」

緊張した硬い表情が、ふわりと柔らかくなるのを見届ける。
アナタって人には本当に、何時も驚かされます。
その突拍子もない行動力に。
そして。
何よりも今は、その綺麗な笑顔に。

「有難うございます。では、遠慮はしません」
「……遠慮?」

って、なんの?と、訊ねられる前に唇を重ねた。


「…っ、ふっ…ンっ」
「……」

何度か触れるだけのキスをした後、舌先でソッと薄い唇をなぞると、ピクリと身体が揺れて閉ざした唇が僅かに開く。すかさずその間に舌を滑り込ませて、温かな舌を絡めた。
これは非常に不味い。
今はこの熱情を止める術がない。
触れれば触れるほど、もっともっとと欲が出る。
初めてではないのに。
私はもうイイ歳した、オトコなのに。
自分の中にこんなにも、誰かを愛しいと思える感情がまだあったことにすら驚く。
もう、手放せませんよ?
たった一度でも仕事仲間ではなく、一人のオンナとしてアナタに触れてしまった、この瞬間から。

「…っ、はぁ……ひゃ」
「大変申し上げにくいのですが」
「!」

ベッドに乗り上げ、くたりと力が抜けた雪乃をゆっくりと押し倒してシーツの上で細い手首を縫い付け真上から見下ろすと、近い場所で視線が合った。
仕事中に見せる顔とは全く似つかないほど、オンナとしての艶と色気のある表情。
乱れた呼吸を整えるように、二人の唾液で濡れたままの少し開かれた唇が、更にオトコとしての私を誘惑しているようにも見える。
まあ、本人は至って無自覚でしょうが。


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