第5章 遊郭潜入!
血の刃が、夜の遊郭を切り裂いた。
「――避けろ!」
宇髄の声が響く。
飛羽は身を捻った。
だが、間に合わない。
「ッ……!」
鋭い痛みが身体を貫き、そのまま地面へ叩きつけられる。
「飛羽さん!」
炭治郎の声が遠ざかっていく。
――まずい。
身体が動かない。
「……実弥……」
飛和は薄れゆく意識の中で、そう呟いた。
* * *
「……っ」
飛和が目を開ける。
視界がぼやける。
「……ここ、は……」
瓦礫の山。
燃え盛る遊郭。
そして――。
「……宇髄さん?」
少し離れた場所に、宇髄が倒れていた。
その腕は――手首から先が失われている。
「……嘘」
飛羽の顔から血の気が引く。
「宇髄さん!」
身体を起こそうとする。
だが、全身が激痛に軋んだ。
「ぐっ……!」
それでも這うように宇髄へ近づく。
「宇髄さん……!」
返事がない。
さらに視線を動かす。
「……炭治郎?」
瓦礫のそばに、炭治郎も倒れている。
「炭治郎!」
飛羽の声が震えた。
さっきまで共に戦っていた仲間たちが、次々と倒れている。
雛鶴、まきを、須磨の姿も見えない。
そして――。
「……善逸……伊之助……」
どこにもいない。
胸の奥が締め付けられる。
「なんで……」
飛羽は拳を握った。
さっきまで、自分たちは確かに戦えていた。
それなのに。
一瞬で、全部が壊された。
「……こんなの……」
飛羽は震える身体を無理やり起こす。
「認められるかよ……!」
その瞬間。
瓦礫の向こうから、妓夫太郎の笑い声が響いた。
「まだ生きてやがったかァ?」
飛羽はゆっくりと刀を握り直す。
身体は限界。
それでも――。
「……まだ終わってない」
飛羽は立ち上がった。
「みんなを……返してもらう」