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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第10章 知らない女の子と五条くん




「寧々も何か買う?」


「わ、私は…」


ピンクと黒の交わったチェックの紙袋を持った硝子は、携帯を片手に問いかけた。


「買うものないなら五条呼ぶけど」


「ま、待って」


特に買う予定なんてなかったし、今すぐに必要なものでもないけど…けど、


どうしても何かを自分のものとして固持しておきたくて。


不安になった心が惑わされて。


気がつけば目を引く下着コーナーではなく、隅っこに追いやられた靴下売り場にふらふらと来ていた。


「こ、これを買うから待ってて!」


勝手に動いた足と同様に、手までが勝手に伸びた。


サファイアのような澄んだ青い布地に、目を細めて満足気に笑う猫の刺繍が入った靴下。


特に趣味でも好みでも何でもないそれに手が伸びたのは。


お揃いでもないのに浮かんでしまう五条くんの顔の訳は。


シャーペンやボールペンの様に同じデザインを揃えることのできないお店で。


五条くんが私にプレゼントしてくれた、あの浴衣のような色合いだから?


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