第8章 違う人と任務
「面倒くせぇ任務片付けて、駆けつけてやった俺はヒーローなんだけど?」
「「それはない」」
自称ヒーローの手には、真っ二つに割れた大鯰の髭が。
「はぁ…、なんて説明しよう…絶対怒られる…、接着剤で何とか…」
アロン◯ルファでくっ付けた呪物なんて、罰当たりなんてものじゃない。
すぐさま五条くんの口を、アロン◯ルファで封じられてもおかしくないのよ?
「悟、私が大鯰を取り込むことが出来たのだから、その一環だと言えば追放は免れるんじゃないか」
「え、そんな追放とか大袈裟なことなの?」
「回収しろって言われた呪物を壊したなんて、そんな前例は聞いたことないわ」
それも…任務に勝手に参戦した人の仕業とか、ね。
「寧々、傑、連帯責任な」
ニッと笑った図々しい笑顔は、夏油くんの会心の一撃を込めたデコピンであっけなく崩れ去った。
「ってぇ!!!」
「この前のお返しだよ。私の髪をわしゃわしゃと掻き乱したじゃないか」
「でも痛くはなかっただろ!」
「悟も言ってただろう?私だって男に触られても嬉しくないよ。むしろ不快だ」