第8章 違う人と任務
「寧々、俺のことは好き?」
「なまちゃんの方が好きね」
濁した言い方だけど、嫌いとは言ってないのよ?
その辺、分かってくれてるかしら?
「さぁ帰ろう、高専にね」
後部座席に3人横並びで座る。
助手席の後ろが私、真ん中に五条くん、その隣に夏油くん。
夏祭りの時と同じ並びになったのは、もちろん
「寧々はここに座れよ」
五条くんの独断で決められたから。
「行きより随分と狭いね。悟は歩いて合流したなら、歩いて帰ればいいだろう」
「寧々が寂しがってるからな。隣にいてやらねーと」
「五条くん、今すぐ降りていいのよ?」
ただでさえ体格が大きいのに、態度と同様に大きく足を広げるせいで、普通以上に狭いのよ。
それに……寂しがってなんかいないのだから。
どうせついてくると思ってたから、ね。
今までの任務にも何回も乱入した人が、今回は大人しくしてるとも思わなかったし。
「やれやれ…しかし、今回の任務はとんだ邪魔が入ったよ」
「傑、なんで俺を見るんだ?どう考えても寧々に触れようとした呪詛師のやつらのことだろ?」