第8章 違う人と任務
「…って、えっ、夏油くん…?」
てっきり反対方向に隠れたのだと…。
「すぐるおにいちゃんー!」
「寧々ちゃんや、なまちゃんが怪我をしないように見守る為に戻ってきたんだ。案外、水草で滑りやすくなっているからね。転ばないようにしてね」
「ころばないよ!」
宙に浮いているなまちゃんは安全として、夏油くんは私に怪我をするなと言いたいのね…。
そう何度もすっ転んでばかりじゃ、過保護に心配されても仕方ない…か。
「あっ!ぼく、いいかくればしょわかった!」
「えっ…なまちゃ…んっ!?」
しゃがんでいた私のスカートの中に入り込んだ…って、そんなのまさか予測できるわけないでしょう!?
例え察知して拒絶の術式が使えたとしても、なまちゃんのような全く下心のない相手に行使するのは気が引ける。
「な、なまちゃん…!」
「ここならぜったいにみつからなーい!」
「こらこら、寧々ちゃんが恥ずかしいみたいだから、やめておいた方がいいんじゃないかな」