第8章 違う人と任務
「探し行くぞー!」
3分間待った五条くんが、声高らかに宣言をする。
「なまちゃん、しー…よ」
「しー!」
草に覆われた岩陰に隠れた私。
そのすぐ隣になまちゃんがいる…けど、なまちゃんは手乗りサイズであまりにも小さいから
隠れる必要もない…ような気も。
こそっと覗き見た五条くんの様子から察するに、呪力や残穢を辿っている様子はなく
一個一個岩陰を覗いたり、水草を掻き分けたりしている。
そうこうしている間に、私達とは反対方向に歩いて行った。
…五条くんが向かった方には夏油くんがいる。
彼もまた、なまちゃんの遊びに付き合ってあげる優しい人。
「みつからない?だいじょーぶ?」
「大丈夫よ、夏油くんが時間を稼いでくれるわ」
そう言えば、明確にルールを決めていなかった。
五条くんが万が一にも見つけられなかったとして、制限時間など何も設けていない。
「ぼく、いま寧々おねえちゃんとふたりきりだぁ」
「そうね。わくわくしちゃうわ」
「寧々おねえちゃんとずっといっしょがいい!」
五条くんに見つからないように、なまちゃんとこそこそ内緒話をしていたら……
「見つけた」