第8章 違う人と任務
「そんなので出てくるわけないでしょ…っ、なにこの揺れ…地震なの?震度いくつよ」
五条くんの手に支ええられているから、転んだり倒れることはない。
それでも、酷く強い横揺れに水面が暴れ出す。
またもや意識を持ったかのように水面が一気に上昇する。
背の高い2人とは違って、足の付け根すれすれまで水面に浸かった。
「寧々は小さいからな。俺に掴まっとけよ」
「寧々ちゃんが風邪をひいたら大変だ。何としても地上に戻らないと」
スカートの中のタイツの中のパンツまでぐしょぐしょ。
さいっあくよ。
「おーい、ナマズ、謝るから出てこいよ。寧々が風邪ひく前に帰りたいんだよ」
「悟、そんな態度じゃ申し訳なさが伝わってこないよ。やっぱり土下座しなきゃ」
「物は試しよ、五条くん。恥を忍んで1回してみてよ」
「水より冷たいな、お前ら…」
でも繋いだ手は温かいでしょ?
なーんて、そんなこと絶対に言わないけどね。
「土下座は無理だけどな……」