第7章 夏休みといえば
「言ったよな?下心は抑えられないって」
「抑えようとする姿勢が見られないのだけど?」
私が逃げ出せないように、両手両足で囲い込む姿勢ならしているようだけど。
「好都合にも浴衣は脱がせやすいんだよ。それとも自分で脱ぐか?」
「無理無体な2択が好きなのね」
自分で脱ぐか、脱がされるか、とんでもない2択を再び迫る五条くんに
もう、たじろぎはしない。
「勉強ついでに下心の抑え方も教えてあげるわ」
数学の公式や英単語よりも大事なこと。
むしろ五条くんの好きな保健体育に絡めたことかもね。
保健体育の実技がしたいって散々言ってたものね?
「私から…触れてもいいかしら?」
「えっ、寧々から…?!ついにデレ期かよ、積極的だな」
「恥ずかしいから…目を瞑っていて?」
五条くんは私に言われた通りに目を閉じた。
このくらい素直だと聞き分けの良い犬みたいね。
私はそこまで素直になんて、やっぱりなれないわ。