第7章 夏休みといえば
言おうかどうか迷ったけど、この際だから言ってしまいましょう。
「帰り道に手を繋いだでしょう?あの時、とても痛かったわ」
いつもは温かくて心地よい温度を共有してくれるのに、痛くて、痛くて。
五条くんは嫉妬させたことへの謝罪は要らなかったようだけど…
「私は謝罪が欲しいところね」
「寧々のその性格、本当好き。寧々じゃなかったらキレてるけど」
そんなに優しい顔でキレてるなんて言葉を使う人、五条くん以外にいるのかしらね?
「でも、まぁ…初めての嫉妬で混乱してたんだよ。実際、その場で寧々を襲おうかとも思った」
「…は?」
「無理矢理にでも俺のものって証を作って、傑に見せつけてやろうかとも思った…けど、どっちみち痛い思いさせたことは謝るわ。ごめんな」
「!?」
ごめんな…と謝った人間は、いきなり人を押し倒したりなんかしない。
「こんな風に襲おうかと思ったけど、初めてが外じゃ刺激が強すぎるだろ?」
ベッドの上に寝転がされて、五条くんは私を足で挟むように馬乗りになった。