第7章 夏休みといえば
「寧々は、俺が他の女に触られても平気?」
私だって、五条くんが他の女の子に触れられたら…
凄く嫌だ。
…そっか、そういう気持ちか。
ああ、ますます自覚してしまう。
こんな時なのに、ね。
自分の気持ちに蓋をしていられるのは、いつまでだろう。
「苦しそうな顔をさせてごめんなさい。五条くんを不安にさせたことは謝るわ。…でも、謝罪が欲しいわけじゃないんでしょう?」
私の言葉に五条くんは口元を緩ませた。
「さすが寧々、俺のこと分かってるね」
「分かってるのはそこまでよ。それ以上は「大丈夫」
私に視線を合わせて屈んだ五条くん。
その瞳は海のように澄んでいて、寸分の狂いなく真っ直ぐに私を捉えた。
「この呪いは寧々のキスで解ける」
「き…っ!?」
「俺だけにしか、したくないでしょ」
五条くんは自分の唇に指を押し当てて、ここと指し示す。
嫉妬という呪いは、1級呪霊よりも厄介かもしれない。
「そ、そんなの出来ないわよ…!」
「んじゃ、俺。嫉妬に任せて国家滅ぼすけど」