第7章 夏休みといえば
今日2回目の山道と少しだけ履き慣れた下駄。
暗くて見えづらい足元には、硬い小石が散らばっているから踏んでしまうことがある。
それでもすいすいと階段を登っていく五条くんと夏油くん。
特に五条くんは私と同じく下駄を履いているのに。
「あっ!スーパーボールすくいやってねーじゃん!絶対に俺が勝つのによー」
「悟は大きければ良いという考えを改めた方がいい」
「五条くんだけ負け続けてるのよ」
「明確なルールがあるのだから、それに従うということを覚えな」
「型破りなのよね」
ほんの少しだけ前を歩いてる2人に追いつこうと、2人の間に入ろうと足を早めた。
「ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ。オ゙ッエー」
「汚い真似は止めるんだ、悟」
「不快にさせないでほしいのだけっ!?」
会話に混ざりつつ、2人に追いつきたかっただけなのに
「どぉっっ!?」
足がもつれて、体がぐんっと前屈みになる。
奇しくも、上半身だけは2人を追い越していた。
また転ぶ…!!