第7章 夏休みといえば
まぁ、無理よね。
分かるはずもないわ。
「なんだよ…っ、この女に触ろうとすると急に手が…」
「お前も…?なんでか知らねーけど触れ「待たせたね」
「は?誰だよお前」
私とナンパ男の間に割って入った人物。
「君達こそ誰なんだい?迷惑行為はいけないよ。早急に立ち去ってくれるかい?」
「誰が迷惑行為してるって?あ゙ぁ!?」
目つきが悪くて悪人ヅラ。
その上、前髪も個性的で近寄りがたい。
「立ち去れと言っている。これ以上は言わせるな」
ちょっと低い声で威嚇のフリをするだけで、軟弱な奴らは逃げていく。
本人としては悪を成敗する正義のヒーローかもしれないけど、側から見たら悪人を吊し上げる極悪人にしか見えない。
けど…
「助かったわ、ありがとう夏油くん」
「お安い御用だよ、寧々ちゃん。浴衣似合ってるね」
ニコリと笑う嘘くさい人。
「任務の帰りでね。祭り会場を避けて歩いていたら、偶然寧々ちゃんがナンパされてるのを見かけたんだ。思わず助けてしまったけど…本当は悟に助けてもらいたかったかい?」