第7章 夏休みといえば
「おねーさん、せっかくの浴衣なのに1人なんて寂しくない?俺らと遊ぼーよ」
五条くんを待っている私に声を掛けてきたのは、どっからどう見てもチャラチャラした怪しい人達。
ボサボサの金髪と剃り込みの入ったツーブロックの2人組は、無視をしてもしつこく絡んできた。
「あ、それとも彼氏に先に帰られちゃった?俺らが慰めてあげようか」
「悪いようにはしないからいいっしょ」
座っている私に逃げられない為に、壁になるように立ちはだかる頭はあるのね。
はぁ…、無駄に場数を踏んだ憎たらしい奴らね。
「ここじゃなんだし、移動しようぜぇ」
金髪の男の方が私の腕を掴もうとする。
「触らないで」欲しいんだけど?
「…っ!んだよ…睨んだって怖くねーんだよ!女は男の言うこと聞いてりゃいーんだよ!」
「何やってんの、お前wwこんなほっそい女1人にビビってんのwww」
ツーブロックの男も私の肩に触れようとする。
「こういう強気ぶった女だって今まで何人も堕としてきたじゃ…っ」
なんなのこいつら…、五条くんに大人しく待ってろって言われたから、そうしてあげてるのが分からないの?